「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」を読んで

明けましておめでとう御座います。
年末年始で読書量が増加している、さつきです。

普段から読書をするのですが、休みの日だと一気読みが捗ります。

そんな中で、「これは‼︎」と思って買った本があります。
それが“一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学”です。


cis氏

この本の著者は“一人の力で日経平均を動かせる男”として有名なcis氏です。

cis氏とは、短期トレードで大金を稼いだトレーダーで、その総資産が230億を超えると言われています。現在は株式だけでなく、先物取引や不動産、金など、複数のものを保有しており、その資産を増やし続けています。

電子掲示板の2ちゃんねるでの発言で有名となった方で、ジェイコム事件で話題となったB・N・F氏と同様にジェイコム事件で大金を得ていることも知られています。

投資手法は順張りです。
一般的にトレードといえば、値下がりしたタイミングで買い、一番高くなったタイミングで売るという方法を想像するかと思います。しかし、cisさんは違います。
ここでは、一般的なトレード手法とそれに対するcis氏の考え方について考えていきたいと思います。

順張りと逆張り

まずは、順張りと逆張りの説明です。

順張りは以下のような投資手法です。

投資手法(スタンス)の一種で、多くの買いが集まって株価などが上昇しているときに買い、逆に下落基調のときには売るという投資手法です。株価が上昇・下降トレンドにあるときに、そのトレンドに乗っていくというような投資スタンスです。一般的には、株価チャートなどのテクニカル分析を利用して、株価が上昇していくトレンドを確認しながら買いを入れたりします。

SMBC日興証券

 

対して逆張りは以下のような投資手法をいいます。

投資手法(スタンス)の一種で、相場の下落局面で買い、上昇局面で売るという投資手法です。株価が適正水準よりも大きく下落したときに買いを入れて、反発したところで売るというような、一見、相場の大きな流れに逆らって動くような投資スタンスです。

SMBC日興証券

 

この手法のメリットは株価が下落したタイミングで買うので、大きな利益を上げやすいです。特に悪材料が広がったタイミングでは株式が多く売られることが多く、一般的に「売られ過ぎ」という状態になりやすいです。このタイミングで逆張りをすれば、より大きな利益を出すことも可能となります。

反面、低い価格で買った株がさらに値下がりしやすいデメリットがあります。一秒先の株価は闇の中であり、一番値下がりしたタイミングだと思ったら、更に値下がりすることも多いため、判断が難しい手法でもあります。

cis氏は下記のように考えているようです。

けれども今、現在買われていることで上がっている、売られていることで下がっているというのは明確な事実としてそこにある。であれば、マーケットの潮目に沿って行動するのがいちばん勝つ可能性が高い

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

 

これは値上がりしているときに買い、値下がりしたら売る。これはつまり、順張りということです。
どちらも一般的な手法ですが、採用している手法は順張りというのは興味深いですね。

 

利確と損切り

投資で難しいのが利確と損切りです。

利確は、利益を確定する行為。対して、損切りは損失を確定させる行為です。どちらも言葉は簡単なのですが、どこで利確・損切りするのかは明確な指標はなく、個人の判断となります。

当然、利確が早ければ利益が小さく、損切りが遅れれば大きな損失につながります。

果たして、どこで判断するべきなのでしょうか。
cis氏は下記のように考えているようです。

買った株が下がったら売る

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

単純ですね。しかし、それが良いのかもしれません。実際の取引はどこまで値上がりするか分からず、どこまで値下がりするかわかりません。

「xx円値上がりしたら売る」「xx円値下がりしたら売る」

と決めても、それが正しいのかわかりません。

だったら、「値上がりし続ける限り持ち続けて、値下がりしたら売る」とシンプルに捉えたほうが良いのかもしれませんね。

 

バリュー投資とファンダメンタル

さつきの投資手法はバリュー投資です。

バリュー投資とは以下の投資手法をいいます。

投資信託などの運用手法のひとつで、現在の株価がその企業の利益水準や資産価値などから判断して割安にあると考えられる銘柄を買い付ける手法です。多くの場合、株式の個別銘柄の代表的な投資尺度であるPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などを用いて判断し、これらの数値の低い銘柄を買い付けます。

SMBC日興証券

いわゆる企業価値は高いが株価が低い銘柄を買う手法です。

本を読んで驚いたのですが、cis氏も投資を始めた頃はバリュー投資をしていたということです。そして大きな損失を出し、手法を変えたということです。

cis氏の考え方は以下の通りです。

この頃のやり方がダメだったのは、割安だという判断が主観に過ぎないのにそこに気づいていなかったこと。

企業の価値を株価が正しく反映していないと考えるよりも、株価こそが答えであり、世の中の総意として適正だとみなされている数字だと考えるほうが正しい。

一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

これは核心を突く言葉だと思います。

バリュー投資をしていると感じるのが、「この企業はどうして、この株価なのだろう」ということです。

これは、魅力的な商品を持っているからなのか。それとも財務状況が良いからなのか。あるいは同業他社と比べて優れている点があるのか。

理由は色々と考えられます。
ただし、それらが正しいとは限りません。
むしろ、間違っていることのほうが多いでしょう。

その中で会社の価値を正確に知ることは難しいと言わざるを得ません。

ならば逆転の発想です。
分からないものは変わらないと割り切ることです。
そして、分かることに集中するのです。

この分かることが「株価」です。

cis氏の考えと私の考えが同じかどうかは分かりません。
しかし、バリュー投資について見直す大きなきっかけとなったのは事実です。

 

情報収集

現在は情報戦です。人より一歩早く情報を手に入れられれば、一歩早く動くことができます。これは、大きな力を持ちます。

では、どのように情報を集めれば良いのでしょうか。

cis氏は“Twitter”を使用しているようです。

なぜならNHKなどの緊急速報よりもTwitter の方が早く情報が出るからです。

この手法は私も同意です。
というより、私も使っています。

NHKの地震速報で言えば、「揺れた」と感じてから速報が出るまでに数十秒から数分かかります。
対してTwitter であれば、タイムラインを見た瞬間に情報があふれています。

もちろん、情報精度が高いとは言えませんが、おおよその目安をつけるには十分な情報です。これだけで、利用価値は非常に大きいです。

十分な情報が出回ってからでは、すでに手遅れ。
一歩先に行くためにもTwitter を使うことはこれからも大切なツールであることは間違いありません。

おわりに

書籍について読んだ感じたことと私の考えについて簡単にまとめました。

結局、何を徹底的にやるのか。
そして、それをやりながら何を学ぶかに尽きるかと思います。

結局、学び続けることが投資の世界では大切ということですね。

この書籍は投資をする人でだけでなく、学生にも読んでもらいたい一冊です。
もし、興味がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

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