最近は暖かい日が増えてきました。
こんなときは、新しいことを始めたくなりますね。
そんな中でニュースを見ていたら面白そうな記事を見つけました。
それは楽天と東京電力グループの携帯キャリア事業用基地局の設置における合意です。
これを読んで思いました。
東京電力の株を買いだと。
携帯キャリア事業用基地局とは
電車やバスの中でスマートフォンを操作している人を多く見かけます。
このスマートフォンがどうやってインターネットに接続しているかご存知でしょうか。
電波でつながっているんだ”と言う人がいるでしょう。
その通りです。でも問題なのはそこではありません。
一部を除いて、スマートフォンは他のスマートフォンと直接通信することはありません。
では、何と通信しているのでしょうか。
答えは、ドコモやAU、ソフトバンクなどの設備と通信しているのです。
そして、この設備というのが”携帯キャリア事業用基地局”なのです。
”そんなの見たことないよ”というかもしれません。
しかし、気が付いていないだけで町のあちこちに設置されているのです。
例えば、マンションや大型スーパーの屋上です。
この他にも駅や地下街などにも設置しています。
“総務省:携帯電話基地局と わたしたちの暮らし”
携帯事業の参入障壁

スマートフォンは通信するために基地局は必要です。
では、一台の基地局で通信可能な広さはどのくらいでしょうか。
答えは、基地局を中心とした数キロ範囲です。
これを使って町の隅々まで通信できるようにするとなれば、相当数の数が必要となるのは想像できますね。
ドコモやAU、ソフトバンクなどは、何年もかけて基地局の台数を増やしてきました。
これを新規の企業が始めようと思ったらどうなるでしょうか。
基地局を設置するのに多額のお金が必要となります。
また、強い電波を近くで浴びるのは不安という人がいて、設置反対のトラブルが発生することもあります。
そうなれば、まともに事業を進めることができません。
携帯会社というのは非常に参入障壁の高い事業分野なのです。
現にUQコミュニケーションズやイー・アクセスのような新規の企業は大きな苦戦を強いられてきました。
ここに参戦を表明したのが楽天です。
これらの問題を解決することは出来るのでしょうか。
東京電力グループとの提携
ここで現れた一つの解法が 東京電力グループとの提携です。
ここで注目すべきは、東京電力グループが保有する送電鉄塔、配電柱、通信鉄塔、建物屋上などの 電力設備です。
東京電力は関東を中心とした広いエリアに電気を供給する一大電力会社です。
首都圏から山間部まで電力を供給するために編み目のような電気網を保有してます。
これらの設備を利用して、鉄塔や電柱に基地局を取り付けたらどうなるでしょうか。
住民とのトラブルを回避することが可能です。
その上、設置場所の使用料をまとめて東京電力に支払うことが可能なため経費の削減という意味でも有効です。
なぜ、楽天の株を買わないのか

単刀直入にいえば、自己資本比率の低さです。
これからは5Gと呼ばれる次世代通信の導入が携帯会社の大きなトレンドとなるでしょう。
この機会に勝負をするのは良い選択だと思います。
しかし、楽天に大きな問題があります。
それは資金力です。
基地局は数千万から数億というお金がかかります。
楽天の三木谷社長は”設備投資は6000憶で十分”と発言しているようですが、本当に充分と思える額ではありません。
株式会社のため株を新規に発行して資金を確保する方法がありますが、現在の自己資本比率は11.0%であり資金の確保が困難です。
少ない資金で事業を始める方法として、首都圏は楽天の超高速通信網、地方はドコモのMVNOを利用するといった体制が推測できます。
しかし、それでは大きな利益が望めず、設備投資に見合うかどうか疑問が残ります。
最後に
現状、楽天の携帯事業は暗雲が立ち込めています。
対して、設備を貸し出す東京電力は一方的に資金を得られる可能性が高いです。
アメリカのゴールドラッシュではお金を儲けたのは砂金を掘った人ではなく、砂金を掘る道具を売った人でした。
ということで、携帯事業を始める楽天ではなく、設備を貸し出す東京電力の株を買ってみました。
それでは