企業は市場での生き残りをかけて利益を上げる活動をしています。
その活動の1つがコストカットです。
原価や工賃を抑えることで値段を変えずに利益をあげられる良い方法ですが、多くの会社ではこれが足枷となって業績不振となっています。
どうしてなのでしょうか。
利益を生み出すための手段
利益を上げるためには原価や工賃よりも商品を高く売ることが必須です。
当然ですよね。仕入れよりも安く売ってしまったら、その分だけ赤字になるのですから。
では、利益を上げるにはどうすれば良いでしょうか。
それは原価や工賃を下げることです。
また、それ以上に大切なのが高い価格で売ることです。
しかし、値段を決める人の多くは、このことを忘れがちです。
業績を上げるために薄利多売が市場で主流となっていますが、これは奇策です。
正攻法は良い商品を顧客が欲しいと思う最大の価格で売ることです。
利益を増やすコストカットと減らすコストカット
利益を増やすコストカットは顧客が欲しいと思う最大の価格と品質を保持した状態で原価低減を行うことです。
対して利益を減らすコストカットは、原価を下げる代償として価格を下げたり、品質を低下させることです。
あなたの会社はどうでしょうか。
コストカットの代償として商品の価値を下げてはいなでしょうか。
商品の価値の低下は利益の低下に直結します。
価値の下がった商品で利益を増やすことは可能でしょうか。
考えてみてください。
「高いが安心・安全の国内産の野菜」と「安いが安全かどうか分からない海外産の野菜」
どちらの消費者を対象にした方が利益が取れるでしょうか。
コストカット対象
利益を上げるためのコストカット対象はなんでしょうか。
これを考えるのに役に立つのがVA/VEという指標です。
VA:Value Analysis
VE:Value Engineering
これは価値分析・価値工学という意味であり、これにより価値を果たすための機能やそのためのコストを考えることができます。
これらの関係を式に表すと以下のようになります。
価値 = (求められる機能・品質)/ コスト
これはつまり、必要以上の機能・品質は価値を高めるものでは無いのです。
考えてみてください。
あなたは持っている家電の機能を全て使用しているでしょうか。
実際は、いつも使う機能と全く使わない機能に分けられるのではないでしょうか。
この使わない機能を除いてコストを削減することが利益を上げるコストカットなのです。
まとめ
利益を上げるためには、良い商品を最大の価格で売ることです。
この良い商品の価値を維持した状態で、利益を最大化させる方法がコストカットなのです。
これを勘違いして安い価格で売ったり、品質を低下させれば顧客は離れて利益が減少します。
不要なものを除いて、価値を上げることがコストカットです。